介護うつの問題と対策

超高齢化社会が進む日本において、親の介護問題や老々介護(高齢者が高齢者の介護をすること)の問題が叫ばれるようになりました。

高齢者の割合が増えれば、その分、介護をする人が増えるということ。そうなれば、悩める方々は増えるのは当然です。そんな中、特に大きな課題として「介護うつ」が取り上げられています。

介護うつとは、身近な人を介護をする中で生じるストレスが原因で起きるうつのことです。付きっきりの介護が必要となれば、自分の時間は一切取れません。身体を抱えたり、支えたりと介護の作業は重労働であり、身体にかかる負担も大きいです。そんなストレスと身体への負荷が蓄積して発散することができなければ、人は壊れてしまいます。

もし、要介護者が認知症の場合は、よりストレスが溜まりやすい傾向にあります。認知症の方は、何度も繰り返し同じことを言ったり、勝手に徘徊したりするだけでなく、メンタル面でも憂鬱になったり怒りっぽくなったりします。その都度対応が難しく、介護者はメンタルも消耗してしまいます。こうした不安だけでなく、将来的な経済的負担も不安の要因になります。要介護者の状況によっては、介護者が仕事を辞めなければいけないケースも出てくるからです。そんな時は決して一人で抱え込まず、外部の相談窓口を探すようにしましょう。

介護うつは、特に真面目で責任感が強く、几帳面な方がなりやすい傾向にあります。一人で頑張ることは素晴らしいことですが、自分も大切な一人の人間です。「自分もケアする」という意識を持ち、週に何回か在宅サービスを利用するなど、積極的に介護サービスに頼ることが大事です。