ストレスとの付き合い方

介護士は、体力的にも精神的にもストレスが溜まりやすい仕事だと言われています。

その背景には、利用者さん・ご家族・同僚・医療従事者など関わる人が多く、人間関係が複雑であること、人材不足が顕著で仕事量が多いこと、早出・遅出・夜勤などのシフトで生活リズムを維持できない職場が多いことなどがあります。

さらに結婚をすれば、こうした難しい仕事をこなしながら、家庭の生活を支えなければなりません。そんな状況下でストレス過多になって、心身を壊してしまう方は珍しくないのです。

無理なく介護の仕事を続けていくためには、自分を労ることが大切です。では、自分を労るためには、どういったことを実践すれば良いのでしょうか。

まず大事なのが、自分の心と向き合う時間を作ることです。「疲れが取れない」「気分が上がらない」といった状況は、心身からの危険信号です。無視はせず、今の気持ちやストレスをメモとして書き出して、心身の状況を把握しましょう。そして、どうすれば良いかを検討しましょう。こうした、自分の心の中やストレスを正しく見る習慣を持つことが大事です。

次に、定期的にストレス発散をすることも大事です。自分に合うリフレッシュ方法を見つけて、計画を立てましょう。リフレッシュ方法がわからない方は、遠出したり、趣味に没頭したり、運動したりと、色々な方法を試してみることをおすすめします。その際、友人を誘って相談をするのも良い方法です。誰かに話を聞いてもらうだけでも、心の荷は軽くなるものです。

介護うつの問題と対策

超高齢化社会が進む日本において、親の介護問題や老々介護(高齢者が高齢者の介護をすること)の問題が叫ばれるようになりました。

高齢者の割合が増えれば、その分、介護をする人が増えるということ。そうなれば、悩める方々は増えるのは当然です。そんな中、特に大きな課題として「介護うつ」が取り上げられています。

介護うつとは、身近な人を介護をする中で生じるストレスが原因で起きるうつのことです。付きっきりの介護が必要となれば、自分の時間は一切取れません。身体を抱えたり、支えたりと介護の作業は重労働であり、身体にかかる負担も大きいです。そんなストレスと身体への負荷が蓄積して発散することができなければ、人は壊れてしまいます。

もし、要介護者が認知症の場合は、よりストレスが溜まりやすい傾向にあります。認知症の方は、何度も繰り返し同じことを言ったり、勝手に徘徊したりするだけでなく、メンタル面でも憂鬱になったり怒りっぽくなったりします。その都度対応が難しく、介護者はメンタルも消耗してしまいます。こうした不安だけでなく、将来的な経済的負担も不安の要因になります。要介護者の状況によっては、介護者が仕事を辞めなければいけないケースも出てくるからです。そんな時は決して一人で抱え込まず、外部の相談窓口を探すようにしましょう。

介護うつは、特に真面目で責任感が強く、几帳面な方がなりやすい傾向にあります。一人で頑張ることは素晴らしいことですが、自分も大切な一人の人間です。「自分もケアする」という意識を持ち、週に何回か在宅サービスを利用するなど、積極的に介護サービスに頼ることが大事です。